中1が期末テスト対策で過去問を使うことの是非(中学生全般に言えます)
2025/11/25
中学1年生の定期テスト勉強。ついつい「過去問をどんどんやろう!」という声を聞きますが、実は塾としては「基本的に過去問だけに頼る勉強」はおすすめしていません。今回はその理由と、代わりに大切にすべき勉強の姿勢についてお話します。
※本件は中学生全般に言えることですが、ココではあえて「初めての定期テスト経験を続ける中1」を主語にしてお話させていただいています。
① 過去問ばかりでは“瞬間的な点数上昇”にはなるが、実力にはなりづらい
過去問を何度も解くと、「この問題あったな」「この答えこのパターンだな」という記憶で対応できることがあります。確かにテスト直前には点数アップの手助けになるかもしれません。
しかしその一方で、「答えを覚える勉強」になりがちです。問題文・設問・答えの構造を丸暗記してしまうと、出題が少し変わっただけで対応できなくなってしまう。つまり「自分の実力」ではなく「過去問に近い問題を知っていたから出せた点数」という状態に陥るリスクがあります。
高校生になって学習量・内容が格段に増えると、こうした“過去問だけで切り抜ける力”は通用しなくなります。
② 過去問利用は“法的にグレー”な行為である可能性も
塾として、過去問を活用する際には「これは法的に安心か?」という視点も持っています。実は、 著作権法(日本)には、「公表された著作物について、入学試験その他人の学識技能に関する試験又は検定の目的上必要と認められる限度において複製できる」という規定(第36条)があります。
ただし、この適用が“定期テスト”や“学校内のテスト対策”に無条件で当てはまるかは明確ではなく、市販の教材・過去の学校のテスト問題をそのまま転載・配布するなどは、著作権者の許可がないと複製権侵害となる可能性があります。
つまり、学校・塾で「過去問を使おう」としても、その出所・許可・著作権の所在をきちんと確認しないまま無制限に使うのは“グレーゾーン”なのです。この点を塾としては慎重に考えています。
③ テスト勉強は“勉強の仕方”を身につける練習の場であるべき
では、何をすべきか。定期テスト勉強とは、単に「点数を取る」だけでなく、「自分の勉強の仕方を身につける」また「学び直し・定着・自分の理解度を確認する」練習の場として活用することが極めて重要です。
中1のうちに「どういう手順で学習すれば、自分の力として身につくか」「定期的に振り返って弱点を補強するにはどうすればよいか」を自覚できると、高校になっても学習量が大きくなっても、自分の軸がぶれずに学び続けられます。
逆に、テスト前だけスパートをかけて「過去問丸暗記」→「テスト」→「点数上がった」で終わってしまうと、高校の学習量・スピード・応用の差においていかれてしまうことが少なくありません。
④ だから、当塾ルートでは“過去問を使ったテスト前学習”は推奨しません
こうした理由(①実力につながりにくい、②法的グレー、③本質的な学習姿勢を育てるべき)から、当塾では定期テスト直前に「過去問をガンガン解く」学習には基本的に頼らない方針を取っています。もちろん、補助的に過去問に触れることがまったく無意味というわけではありませんが、メインの方法に据えることは避けています。
「直近1~2回のテスト傾向を知るため」「類似問題に慣れるため」という流れなら補助的に使うこともありますが、過去問だけで勉強を終えてしまうのは、長期的には学習の土台を作る上でリスクがあると考えています。
⑤ 結果としての成果につながっています
このような方針をコツコツと続けた結果、入試合格後の進学先でも、毎年「学年1位」「学年3位」といった上位を取る生徒さんが複数名出ています。過去問頼みではなく、「自分の勉強の仕方を持っている生徒」が、高校の難しい環境においても粘り強く伸びています。
つまり、「今すぐ点数を上げるために過去問丸暗記」という選択肢ではなく、「正しいことをして、長い目で見て実力を積み上げる」という選択肢を選んでほしいのです。
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天王寺で本質的な定期テスト対策
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