勉強のやる気を出す方法3つ目【子ども自身のメリットを伝える】
2025/11/15
勉強に対して前向きになる声のかけ方 Part3
―「行動が変わる」とき、子どもは何を感じているのか?―
塾で指導していると、「どう声をかければ、子どもが勉強に前向きになるのか?」という質問を多くいただきます。
もちろん、励ましや応援が大切なのは言うまでもありません。ただ、それだけでは行動が変わらないことがほとんどです。
特に小学生・中学生は、
「大人が正しいことを言えば、子どもは動くはず」
という考えでは、ほぼ動きません。
① 大人視点で“正論を伝える”のは逆効果
これは保護者の方も経験があると思います。
「勉強したら将来の役に立つよ」
「今が大事なんだよ」
「先生の言うことはちゃんと聞かなきゃ」
大人からすれば当然の言葉ですが、
子どもにとっては 「また正論言われた…」 で終わりがちです。
納得しないまま行動を強制されると、やる気はむしろ下がります。
なぜか?
子どもは “自分で納得したときだけ行動が変わる” 生き物だからです。
だからこそ、
「大人として伝える」のではなく、
“子ども自身にとってのメリット”を一緒に考える
ことが重要になります。
② 勉強が「未来の何につながるのか」を具体的に伝える
子どもが勉強に前向きになる瞬間は、
「勉強=自分の得になるもの」
と実感できたときです。
反対に、
「怒られないため」「やらされているから」では、絶対に続きません。
勉強そのものの話ではなく、
その先の世界がどう変わるのか
を言葉で補ってあげる必要があります。
③ 実例:勉強嫌いの小学生の変化
先日の授業で、こんな出来事がありました。
授業中にノートの取り方について指示をしたところ、
その小学生は指示とは違う形でノートを書いていました。
内容自体はよく書けていて、
「間違っているわけではない」
ただ、授業全体の流れを理解するには、こちらの指示の方法で書く必要がありました。
ここで頭ごなしに、
「指示と違うから書き直して」
と言うのは簡単です。
しかし、これでは子どもは納得しません。
そこで、次のように伝えました。
<実際の会話>
私:
まず、今の書き方が間違っているわけじゃないよ。むしろよく考えられている。
ただ、今回の書き方は「相手の指示を理解して再現する練習」の時間なんだ。
子ども:
……練習?
私:
そう。指示を覚えてその通りにできるって、すごく大事な力なんだよ。
これは授業で先生の説明を聞くときにも役立つし、
それができるようになれば、授業の理解が今よりずっと速くなるんだ。
子ども:
授業の内容、速くわかるようになる?
私:
うん。そうなれば、塾に来る回数も減らせるかもしれない。
自分でできることが増えるって、かなりお得じゃない?
子ども:
……じゃあ、今回の書き方でやってみる!
そこから驚くほど授業が前向きになりました。
集中力、発言、取り組み、全てが変わり、
その日の理解量は過去一番でした。
叱らなくて良い。
褒めるだけでも足りない。
「メリットを明確にする」ことで、行動は自発的に変わる。
まさにその瞬間でした。
④ 子どもが行動を変えるのは「自分で選んだ」と思えたとき
大切なのは、
「だからこうしなさい」ではなく、
“だからやってみない?” と選択肢を渡すこと。
子どもは、自分で決めたときに強くなります。
逆に、
・否定する
・押しつける
・正論で締める
これらはすべて行動を止めてしまいます。
⑤ まとめ:大人の役割は“答えを押しつけること”ではない
-
正論はNG
-
勉強の目的は“未来の変化”と結びつける
-
メリットを具体的に言語化する
-
子どもに「自分で選ばせる」感覚を渡す
勉強そのものを変えるのではなく、
勉強に向き合う“姿勢”を変えることが何より重要です。
そして、姿勢が変わった瞬間に、
子どもは驚くほど伸び始めます。
もしご家庭で声かけに困ったときは、
ぜひこの視点を思い出してみてください。
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